猫と入院と新作。その1
- 裕介 香津宮
- 4月6日
- 読了時間: 4分
年の瀬に、15年飼ってた猫が亡くなった。
Twitterのアイコンにしてた子。
前に飼ってたハチワレ猫がある年の冬に帰ってこなくて、そのまま何年かして、
悲しいけど気持ちを切り替えようと、「猫ほしいんだよね」って職場の子に聞いたら
「うちの近所に生まれたよ!」と写真を見せてもらったんだ。
まだ母猫のおっぱいに群がっている五匹ぐらいの写真で、
顔も見えなかったけど、白猫で、片手だけが黒くて、
見た瞬間「この子いい!」ってなって、次の休みに一緒に見に行った。
小学生の頃から、たびたび猫を拾ってくるタチだったんだけど、 その頃は外飼いだったから、病気で死んだりカラスにやられたりがあった。
父親の作業場の休憩室みたいなところに夜は入れて、日中は外に放し飼いみたいな感じ。
祖父祖母が動物を嫌っていたから、そこまでしか許されなかったんだよね。
メインというか、小学生の頃から我が家で飼っている猫が続いてて。
それとは別に新しい子猫が入ってくる感じかな。
1~2匹、たまに3匹。まあ、みんな長生きはしないよね。
そんときの子猫が、カギ尻尾のキジトラ。目がクリンクリンで超かわいいの。
そんでまあ、子猫だったから、案の定カラスに持ってかれて。
ずっと藪でギャーギャーとカラスが鳴いていたのはトラウマ。
その晩、その子猫が夢にでてきたんだ。
「ありがとう!」って言うんだよ。
その子のこと悲しんで、悔やんで寝たから夢を見たんだと思うけどさ。
挨拶に来てくれたのかな、って思って。
「待ってよ、行くなよ」って引きとめたんだけど、世界が真っ白になっていって。
あわてて「またウチ来いよ!カギ尻尾だから、すぐわかるから!絶対だぞ」って
泣きながら目が覚めた。朝だった。
もうそんな夢も忘れた頃。
それから、半中半外飼いみたいな感じで家の中で飼えるようにもなった。
祖母がボケはじめてから、念願の室内飼いもできるようになった。
前のハチワレ猫が14歳ぐらいかな、ジャンプで足を踏み外すようになって、
これはやばいんじゃないか、と思ってたら、外に行ったまま帰ってこなかった。
んで、ようやく気持ちの整理がついたので、新しい猫がほしいなと相談した。
そんで写真を見て、子猫用のおやつを持って、そのお宅に伺ったんだけど。
おじいちゃんとおばあちゃんがそれぞれ猫を飼っていて、
おばあちゃんは自宅で美容室をやっているので自宅に自分の猫♂がいて、
おじいちゃんの方は離れの作業小屋で、半ノラ♀みたいなんだけど、
餌やったり寝るとこ用意したりしている感じ。
それが生まれたということらしい。
おやつ持ってったら、母猫も食べるわけ。
きれいなチャトラで、絶対美人。
子猫がみんなそっちに群がるわけ。
ところが俺の目をつけてた白い子猫だけ、おやつの方に行かないで、
俺の指にすりすりしてくるわけ。
おやつ食えよ、って目の前に置いても見向きもしないの。
その子、その日にはもらえなかったんだけど。
ちゃんとおじいちゃん、トイレとか教えてからって。
もらわれていった先で怒られるのはかわいそうだからって。
そもそもこの母猫がおじいちゃんをすごい信頼してて、
子猫が木に登って降りられなくなると、おじいちゃんを呼びにくるらしい。
それから一か月後ぐらいかな。晴れてうちの子になったわけ。
結局この子、テーブルの上にあがることも、人間の食べ物に手をつけることもなかった。
頭のいい子だったんだ。白猫だと思ったらシャム猫だった。
真っ白できれいだったのに、小汚いふうの柄になってしまった。 尻尾はトラ縞が入ってて、これは母猫要素なんだろうね。
そういえば、おばあちゃんの飼ってたふてぶてしい猫♂、シャムだったなと思い出した。
で、飼いはじめてから何年か経ってから気がついたんだけど、
こいつカギ尻尾だな、となんともなしに思ったんだ。

亡くなって四十九日のちょっと前ぐらい。
一度だけ鳴き声を聞いた。
いつもいる俺のベッドの脇あたりに猫ハウスがあって、ちょうどそのあたりで。
気のせいかなと思ってたら、うちの奥様も聞いた。
「いま、鳴いたよね?」って。
そうだね。
また会えるといいなと思う。


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