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猫と入院と新作。その1

年の瀬に、15年飼ってた猫が亡くなった。

Twitterのアイコンにしてた子。

前に飼ってたハチワレ猫がある年の冬に帰ってこなくて、そのまま何年かして、

悲しいけど気持ちを切り替えようと、「猫ほしいんだよね」って職場の子に聞いたら

「うちの近所に生まれたよ!」と写真を見せてもらったんだ。

まだ母猫のおっぱいに群がっている五匹ぐらいの写真で、

顔も見えなかったけど、白猫で、片手だけが黒くて、

見た瞬間「この子いい!」ってなって、次の休みに一緒に見に行った。


小学生の頃から、たびたび猫を拾ってくるタチだったんだけど、 その頃は外飼いだったから、病気で死んだりカラスにやられたりがあった。

父親の作業場の休憩室みたいなところに夜は入れて、日中は外に放し飼いみたいな感じ。

祖父祖母が動物を嫌っていたから、そこまでしか許されなかったんだよね。

メインというか、小学生の頃から我が家で飼っている猫が続いてて。

それとは別に新しい子猫が入ってくる感じかな。

1~2匹、たまに3匹。まあ、みんな長生きはしないよね。

そんときの子猫が、カギ尻尾のキジトラ。目がクリンクリンで超かわいいの。

そんでまあ、子猫だったから、案の定カラスに持ってかれて。

ずっと藪でギャーギャーとカラスが鳴いていたのはトラウマ。


その晩、その子猫が夢にでてきたんだ。

「ありがとう!」って言うんだよ。

その子のこと悲しんで、悔やんで寝たから夢を見たんだと思うけどさ。

挨拶に来てくれたのかな、って思って。

「待ってよ、行くなよ」って引きとめたんだけど、世界が真っ白になっていって。

あわてて「またウチ来いよ!カギ尻尾だから、すぐわかるから!絶対だぞ」って

泣きながら目が覚めた。朝だった。


もうそんな夢も忘れた頃。

それから、半中半外飼いみたいな感じで家の中で飼えるようにもなった。

祖母がボケはじめてから、念願の室内飼いもできるようになった。

前のハチワレ猫が14歳ぐらいかな、ジャンプで足を踏み外すようになって、

これはやばいんじゃないか、と思ってたら、外に行ったまま帰ってこなかった。


んで、ようやく気持ちの整理がついたので、新しい猫がほしいなと相談した。

そんで写真を見て、子猫用のおやつを持って、そのお宅に伺ったんだけど。

おじいちゃんとおばあちゃんがそれぞれ猫を飼っていて、

おばあちゃんは自宅で美容室をやっているので自宅に自分の猫♂がいて、

おじいちゃんの方は離れの作業小屋で、半ノラ♀みたいなんだけど、

餌やったり寝るとこ用意したりしている感じ。

それが生まれたということらしい。


おやつ持ってったら、母猫も食べるわけ。

きれいなチャトラで、絶対美人。

子猫がみんなそっちに群がるわけ。

ところが俺の目をつけてた白い子猫だけ、おやつの方に行かないで、

俺の指にすりすりしてくるわけ。

おやつ食えよ、って目の前に置いても見向きもしないの。


その子、その日にはもらえなかったんだけど。

ちゃんとおじいちゃん、トイレとか教えてからって。

もらわれていった先で怒られるのはかわいそうだからって。

そもそもこの母猫がおじいちゃんをすごい信頼してて、

子猫が木に登って降りられなくなると、おじいちゃんを呼びにくるらしい。

それから一か月後ぐらいかな。晴れてうちの子になったわけ。

結局この子、テーブルの上にあがることも、人間の食べ物に手をつけることもなかった。

頭のいい子だったんだ。白猫だと思ったらシャム猫だった。

真っ白できれいだったのに、小汚いふうの柄になってしまった。 尻尾はトラ縞が入ってて、これは母猫要素なんだろうね。

そういえば、おばあちゃんの飼ってたふてぶてしい猫♂、シャムだったなと思い出した。

で、飼いはじめてから何年か経ってから気がついたんだけど、

こいつカギ尻尾だな、となんともなしに思ったんだ。






亡くなって四十九日のちょっと前ぐらい。

一度だけ鳴き声を聞いた。

いつもいる俺のベッドの脇あたりに猫ハウスがあって、ちょうどそのあたりで。

気のせいかなと思ってたら、うちの奥様も聞いた。

「いま、鳴いたよね?」って。

そうだね。

また会えるといいなと思う。




 
 
 

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